UAPについて調べていくと、必ず出てくる名前があります。
それが、
AARO(All-domain Anomaly Resolution Office)
です。
日本語では「全領域異常解決局」などと訳される、米国政府のUAP調査組織です。
ではAAROは、いったい何をしているのでしょうか。
「UFOを調べる秘密組織」なのでしょうか。
それとも、航空安全や国家安全保障のための分析機関なのでしょうか。
今回は、AAROの公式情報をもとに、
- AAROとは何か
- 何のために設置されているのか
- UAPをどのように調査しているのか
- どんな情報を公開しているのか
- 実際にどのような結果が出ているのか
を整理します。

AAROとは何をしている組織なのか
AAROの正式名称は、
All-domain Anomaly Resolution Office
です。
「All-domain」という名前の通り、空中だけを対象にしているわけではありません。
航空領域、海上、宇宙、そして複数の領域にまたがる異常現象を対象としています。
AAROが公式に掲げている任務は、国家安全保障上重要な地域付近で発生するUAPについて、
検出、識別、帰属、分析、対処を体系的に行うこと
です。
つまり、「宇宙人がいるかどうか」を調べるためだけの組織ではありません。
正体不明の現象が、
- 他国の航空機なのか
- ドローンなのか
- 気球なのか
- 人工衛星なのか
- 自然現象なのか
- センサーの問題なのか
- それ以外の現象なのか
を確認することも重要な仕事です。
なぜ米国政府はUAPを調査するのか
軍用機の近くに正体不明の物体が現れた場合、それが何であっても無視することはできません。
たとえば、
未知のドローンだった場合。
他国の偵察機器だった場合。
新しい監視技術だった場合。
航空機の安全を脅かす物体だった場合。
これはUFOや宇宙人への興味とは別に、国家安全保障上の問題になります。
AAROは公式に、
技術的・情報上の予想外を減らすこと
を重要な目的として掲げています。
つまり、
「何だか分からないものを、分からないまま放置しない」
ための組織でもあるのです。
UAPはどのようにAAROへ報告されるのか
UAPを目撃した人が、誰でも自由にAAROへ写真を送れば調査してもらえる、という仕組みではありません。
現在、米軍関係者や米政府職員などには正式な報告経路があります。
民間航空機のパイロットについては、航空交通管制へUAPを報告することが推奨されており、AAROはFAAからUAP関連のパイロット報告を受け取っています。
一方、一般市民向けのUAP目撃報告制度については、AAROは今後仕組みが利用可能になった際に案内するとしています。
ここからも、AAROが主として国家安全保障・航空安全に関係する情報を扱う組織であることが分かります。
AAROはUAPをどうやって調査するのか
調査は、単に映像を見て、
「UFOっぽい」
「鳥っぽい」
と判断するものではありません。
可能な範囲で複数の情報を組み合わせます。
たとえば、
- 目撃者の証言
- 動画・写真
- 赤外線映像
- レーダーデータ
- センサー情報
- 航空機の位置
- 人工衛星情報
- 気象情報
- 風向・風速
- 既知の航空物体
などです。
そして、
既知の物体・現象で説明できるか
を一つずつ確認します。
説明できれば「Resolved(解決済み)」。
十分な情報がなく判断できなければ「Unresolved(未解決)」。
さらに情報収集中であれば「Under Analysis(分析中)」。
というように分類されます。

「未解決」は「宇宙人」という意味ではない
ここは、これまでの記事でも繰り返してきた重要なポイントです。
AAROが、
Unresolved UAP
と発表していても、
それは
「地球外文明の宇宙船だと確認した」
という意味ではありません。
多くの場合、
正体を確定するための情報が不足している
ことを意味します。
AAROのFAQでも、センサーが十分な情報を取得できなかったために「unidentified」と分類されるケースが多いことが説明されています。
つまり、
未確認
↓
未知の技術
↓
宇宙人
と自動的につなげることはできません。
実際には何に解決されているのか
AAROは、解決済みUAPケースの分類を公開しています。
2026年8月15日時点の公開データでは、解決済みケースの内訳は、
- 気球:約49.7%
- 人工衛星:約36.7%
- UAS・ドローン:約6.5%
- 鳥:約2.4%
- 航空機:約1.6%
などとなっています。
つまり、解決されたUAPの大部分は、
気球や人工衛星など既知の物体
だったことが分かります。
これはUAP研究を考えるときに非常に重要です。
「報告されたUAPが全部未知の飛行物体」
なのではありません。
むしろ分析によって、
「これは人工衛星だった」
「これは気球だった」
と切り分けていくこと自体が、UAP研究の重要な役割なのです。

では、どんな形のUAPが報告されているのか
AAROは、目撃されたUAPの形状についても集計しています。
2026年8月15日時点では、
最も多いのが、
Orb / Round / Sphere
球体・丸形
で約38.6%。
次に、
Lights
光
が約30.8%です。
そのほか、
- 円筒形
- 楕円形
- 三角形
- TicTac型
- 円盤型
- ブーメラン型
なども報告されています。
ただし、これは
「実際にその形の物体が存在した」
と確定した数ではありません。
あくまでも、
報告者やセンサーがどのような形として認識したか
というデータです。
AAROは情報を公開している
AAROの特徴の一つは、調査情報の一部を公式サイトで一般公開していることです。
公開されているものには、
- UAP映像
- ケース解析
- 年次報告書
- 議会向け資料
- UAP報告傾向
- FAQ
などがあります。
2026年7月20日には、
2025会計年度UAP年次報告書
も公開されています。
また2026年にも新しいUAP映像・ケース資料が継続して追加されています。
つまりAAROは、
「すべてを秘密にしている組織」
というわけでもありません。
機密情報との境界はありますが、公開可能な情報については継続的に公表しています。
AAROは宇宙人を否定するための組織なのか
AAROについては、
「政府がUFOを否定するための組織なのではないか」
という見方もあります。
逆に、
「政府がついに宇宙人を認めるための組織だ」
という期待もあります。
しかし、公式に掲げられている役割を見る限り、どちらとも少し違います。
AAROの任務は、
UAPを可能な限りデータに基づいて識別し、評価すること
です。
つまり、
最初から否定する。
最初から肯定する。
というより、
何であるかを特定すること
が中心です。
SIRIUS UNIVERSITYがAAROを見る理由
SIRIUS UNIVERSITYでは、
公的機関が未知の現象をどのように扱っているのかにも注目します。
AAROの資料を見ると、
UAP研究とは単に、
「宇宙人がいるか、いないか」
という二択ではないことが分かります。
本当に面白いのは、
どのようなデータを集め、どこまで説明できて、どこから説明できなくなるのか
という過程です。
気球と分かるケースもある。
人工衛星と分かるケースもある。
鳥と分かるケースもある。
それでも情報不足などによって正体を特定できないケースも残る。
研究とは、その境界線を丁寧に見ていく作業なのかもしれません。
まとめ|AAROは「宇宙人探し」だけをする組織ではない
AAROは、
米国政府のUAP調査・分析を担う組織です。
主な役割は、
- UAP情報の収集
- 複数のデータを使った分析
- 既知の物体・現象との照合
- 未解決ケースの記録
- 国家安全保障上のリスク評価
- 調査結果の一部公開
です。
そして公開データを見ると、多くのケースが気球、人工衛星、ドローンなどへ解決されています。
それでもなお、
正体を確定できないケースが存在します。
SIRIUS UNIVERSITYでは、
「宇宙人だった」
という結論を急ぐのではなく、
何が分かり、何がまだ分からないのか
を引き続き記録していきます。
次回は、
AAROが公開している最新のUAP報告・映像には何があるのか
を見ていきます。
SIRIUS UNIVERSITY|研究記録 No.003
研究テーマ:UFO / UAP
カテゴリー:未確認現象研究









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