「ディスクロージャー」という言葉を、UFOやUAPのニュースで見かけたことがあるかもしれません。これは、政府や軍が保有するUFO関連情報の公開を求める動き・概念を指します。
この記事では、その歴史と、2026年時点で公式に確認できる最新の動向を、事実と推測を分けながら整理します。
ディスクロージャーとは何を意味するのか
ディスクロージャー(disclosure)とは、直訳すると「情報公開」。UFO・UAPの文脈では、政府や軍が保有しているとされる関連情報を、公式に明らかにすることを指します。
これまでの情報公開の歴史
冷戦期の機密文書
UFO情報の多くは、長らく国家安全保障上の機密として扱われてきました。冷戦期には、多くの目撃報告が公式には否定・説明され、詳細な調査記録は長期間非公開のままでした。
2017年の転換点
2017年、米国防総省が過去に極秘のUFO調査プログラムを運用していたことが報道され、あわせて海軍機が撮影した映像が公開されたことで、ディスクロージャーへの関心が世界的に高まりました。
AARO設立以降
2022年、UAPを体系的に調査する機関としてAARO(全領域異常解決局)が設立されました。以降、年次報告書や議会証言を通じて、段階的な情報公開が続いています。
2026年、政府が公式に確認している事実
AAROは2026年7月、2025会計年度の年次報告書(Fiscal Year 2025 Consolidated Annual Report on Unidentified Anomalous Phenomena)を公開しました。この報告書で公式に確認されている事実は、次の通りです。
2024年6月2日から2025年5月30日までの間に、319件のUAP報告を新たに受理したこと。これまでの累計の事案保有数は、2025年5月30日時点で1,870件に上ること。運用中の航空機付近で電子的・航空電子的な干渉が確認された事例が2件あったこと。ただし、これらの干渉が実際にUAPによるものだったかどうかまでは、AARO自身もまだ結論づけていません。
また、解決済みの事例の中に、外国の高度な技術力を示すものは確認されていないことも述べられています。あわせて、UAP由来とされる物理的な物体を政府が入手した場合の取り扱い手順の整備を進めていることも報告されています。

公式な事実と、証言・推測を分けて見る
報告書自体は、こうした数値や調査体制についての事実を淡々と積み上げるものであり、「UAPの正体が何であるか」を断定するものではありません。一方で、新たに受理された報告のうち、相当数が十分なセンサーデータの不足によって未解明のまま残っていることも、報告書は指摘しています。
ニュースやSNSでは、こうした公式報告と、個人の目撃証言や推測が同じ文脈で語られがちです。ディスクロージャーを追ううえでは、「政府機関が公式に確認した事実」と「証言・主張・推測」を、意識的に分けて捉えることが大切です。
よくある誤解——「政府が認めた」の意味
ニュースの見出しだけを見ると、「政府がUFOの存在を認めた」というように受け取られがちですが、正確ではありません。AAROが公式に確認しているのは、あくまで「未解明の報告が一定数あり、その中に既知の技術では説明しきれない事例が含まれている」という事実であり、「地球外の乗り物である」と確認したわけではありません。
また、「解決済みの事例に外国の高度な技術力を示すものが確認されていない」という記述も、「敵対国の技術ではない」ことの確認であって、「未知の存在である」ことの確認ではない点には注意が必要です。報告書は、あくまで現時点で分かっていることと、分かっていないことを、慎重に切り分けて記述しています。

ディスクロージャーは今後どう進むのか
情報公開は、一度にすべてが明らかになるようなものではなく、年次報告や個別の発表を通じて、少しずつ進んでいくプロセスです。次に何が公開されるかを注視しながら、事実と推測を分けて捉えていくことが、この分野を追ううえで大切な姿勢だと考えています。
関連して、UAPとUFOの違い、AAROの役割、そしてNASAのUAP研究チームについてもまとめています。
一次情報(AARO 2025会計年度 年次報告書)はAARO公式サイトで公開されています。









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