子どもの気持ちを理解しようと手を伸ばす大人

子どもの気持ちがわからないと感じたら——理解できなくても築ける関係

「うちの子が何を考えているのか、わからない」——そう感じたことがある保護者は、少なくありません。それは、親としての愛情が足りないからでも、関わり方が間違っているからでもありません。

この記事では、子どもの気持ちを”当てる”ことを目指すのではなく、わからないままでも築いていける関係について、一緒に考えていきます。

子どもの気持ちがわからない、と感じるとき

子どもの表情が変わった、口数が減った、部屋にこもる時間が増えた——そんな変化に気づいても、理由まではわからないことがあります。

その背景には、年齢や発達段階、性格、学校での出来事、友人関係、単純な疲れ、感覚の敏感さ、あるいは「親に心配をかけたくない」という気持ちなど、いくつもの可能性が重なっていることがほとんどです。ひとつの原因に決めつけようとすると、かえって本当の理由から遠ざかってしまうこともあります。

子ども自身も、自分の気持ちがわからないことがある

子どもの気持ちがわからないとき、親は「聞き出せていない自分」を責めがちです。けれど、子ども自身が、自分の気持ちをまだうまく言葉にできていない、というケースも少なくありません。

何かモヤモヤしているのは感じていても、それが「悲しい」のか「悔しい」のか「面倒くさい」のか、大人でもすぐには言葉にできないことがあります。子どもであればなおさらです。

「なぜ話してくれないのか」ではなく、「まだ言葉になっていないのかもしれない」という前提に立つだけで、こちらの焦りは少し和らぎます。

「わかろう」としすぎると、かえって話せなくなることもある

子どもを理解したいという気持ちは、とても自然なものです。ただ、その気持ちが強すぎると、質問攻めになったり、表情から真剣に読み取ろうとする空気が伝わったりして、子どもの側が「見られている」と感じてしまうことがあります。

たとえば「どうして学校に行きたくないの?」という、理由を特定しようとする問いかけは、答えを持たない子どもにとって、かえって重く感じられることがあります。

一方で、「今日はどんな一日だった?」「今は話したくない気分?」のように、答えを限定しない声かけは、子どもが話すかどうかを自分で選べる余地を残してくれます。

言葉以外のサインを見る

気持ちは、必ずしも言葉で伝わるとは限りません。

食欲、睡眠、表情、声のトーン、部屋の様子、遊び方の変化——こうした言葉以外のサインのほうが、実は多くを語っていることがあります。

「何を話したか」だけでなく、「今日はいつもよりよく笑っていた」「最近、朝の支度に時間がかかるようになった」といった小さな変化に気づくことも、子どもを理解するための、もうひとつの方法です。

子どもとの関わり方を静かに考える大人

子どもが話せる余白をつくる

何かを聞き出そうとするのではなく、話したくなったときに話せる余白を、日常の中に残しておくことも大切です。

一緒に過ごす時間、並んで座る時間、テレビを見ながらの何気ない会話——こうした「特に何かを聞き出そうとしていない時間」の中で、子どもがふと本音をこぼすことは少なくありません。

すぐに答えを求めず、間をそのままにしておくことも、ひとつの関わり方です。

わからないままでも、そばにいることはできる

子どもの気持ちを、すべて理解することはできません。それは、親子であっても、どれだけ長く一緒にいても変わらないことです。

けれど、わからないままでも、そばにいることはできます。理由がわからなくても、「何かあったんだね」「話したくなったら聞くよ」と伝えるだけで、子どもにとっての安心材料になることがあります。

わかろうとしすぎず、少し力を抜いて、わからないことをそのまま受け止める——それも、子どもとの関係を育てていく、ひとつのかたちです。

全部がわからなくても、少しずつ距離を縮めていくことはできます。

少しずつ距離を縮める大人と子どもの手

その子らしい個性や感じ方について、もう少し掘り下げてみたい方は、宇宙人っぽい子・親子教育のページも参考になるかもしれません。

子どもとの関わり方について、もう少し話してみたい方は、親子・教育の相談窓口もご利用いただけます。


関連記事

  1. 学校に行きたくないと感じる子どものための、静かな朝の部屋の情景

    不登校とどう向き合うか——親ができること・学校との関わり方

  2. 夕暮れの海辺の道を灯台に向かって歩く母娘の後ろ姿のイメージ画像

    宇宙人みたいな娘が起こす、偶然では済まない話

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. 未確認現象研究

    葬儀の現場で語られる「不思議な出来事」——英国の調査からのイメージ画像
    葬儀の現場で語られる「不思議な出来事」——英国の…
  2. 意識科学研究

    メスカリンは脳の「小脳」で何を起こしているのか——ラット実験からの手がかりのイメージ画像
    メスカリンは脳の「小脳」で何を起こしているのか—…
  3. 未確認現象研究

    「亡くなった人からのサイン」を大学の研究者が語るのイメージ画像
    「亡くなった人からのサイン」を大学の研究者が語る…
  4. 意識科学研究

    高齢者とシロシビン——見過ごされてきた研究対象に光を当てる新プロジェクトのイメージ画像
    高齢者とシロシビン——見過ごされてきた研究対象に…

アーカイブページ