恥ずかしさは、なくすものではなく見つめ直せるもの
人前に出ると緊張する。誰かに見られていると、思うように話せなくなる。歌うことに興味はあるのに、カラオケではマイクを持つのをためらってしまう。
恥ずかしいという気持ちは、何かを始めようとするときに現れやすいものです。新しいことをやってみたいと思っても、「失敗したらどうしよう」「変に思われたらどうしよう」と考えているうちに、実際に動く前から止まってしまうことがあります。
この動画で話しているのは、恥ずかしさを無理に消そうとするのではなく、自分の中に浮かんでいるイメージや言葉を見つけ、それを自分で変えていく方法です。
恥ずかしさは、自分ではどうにもできないもののように感じることがあります。けれども、その感情の奥にどんな思い込みがあるのかを探っていけば、感じ方をコントロールできる。ここでは、そんな考え方を紹介しています。
人前で歌うことが恥ずかしい理由を探る
たとえば、人前で歌うことが恥ずかしいとします。
歌そのものが嫌いというよりも、「人前で歌うこと」に対して、何かネガティブな思い込みが隠れているのかもしれません。観客にどう見られるのか、どんな反応をされるのか。まだ何も起きていないのに、頭の中ではすでにいろいろな場面が始まっています。
そこで、まずは一人でいられる安全な場所を使います。自分の部屋など、落ち着いて過ごせる場所で、大勢の人の前で歌っている場面をイメージしてみる。
大きなステージでも、学校の体育館のような場所でもかまいません。できるだけ鮮明に、自分がそのステージに立っている姿を思い浮かべます。
そのとき、観客席からどんな言葉が聞こえてくるでしょうか。どんな映像が浮かぶでしょうか。観客の顔はどんな表情をしているでしょうか。目を閉じたほうがイメージしやすければ、目を閉じてもいい。
怖そうな顔が見えるかもしれません。観客が何かを話している映像や、コソコソと話す声が浮かぶかもしれません。まずは、そこに出てきたものを簡単にメモしておきます。
大事なのは、浮かんできたイメージを「こんなことを考えてはいけない」と押し込めないことです。ネガティブな言葉や映像が出てきたら、それを自分の中にある思い込みを知るチャンスとして扱います。
浮かんだイメージをポジティブに変える
次に、そのイメージや言葉を、ポジティブなものへと言い換えていきます。
たとえば、観客が笑っている映像が浮かんだとします。その笑いを「自分を馬鹿にしている」と受け取るのではなく、「楽しいライブだと思って盛り上がっている」と捉え直してみる。歌っている自分を見て、「自分がスターになったようで気持ちいい」と感じている人たちをイメージしてもいい。
ここで行っているのは、目の前の現実を変えることではありません。自分の中に浮かんでいる映像や、聞こえてくる言葉を入れ替えることです。
恥ずかしさを感じるとき、私たちは自分がどう見られているかを、ある一つの方向から決めつけていることがあります。その決めつけに気づき、別の言葉や映像に変更してみる。自分の部屋で一人でできる、いわば「なりきりごっこ」のような練習です。
このような、目を閉じて映像を入れ替えたり、言葉を変えたりするワークは、心理学のNLPにもあるものだと、この動画では説明しています。
いきなり人前に出ず、小さな段階をつくる
イメージの中での感じ方を変えたら、まずは一人で歌ってみます。そこで恥ずかしさの度合いが変わってくるかを見ていく。
最初から大勢の前で歌う必要はありません。人前で歌うことへのハードルが高いなら、オンラインで友達や仲間とカラオケをする方法もあります。実際に同じ場所に集まって歌うよりも、オンラインのほうが取り組みやすいと感じることがあります。
それでもまだ恥ずかしければ、自分で動画を撮ってみる。歌っているところを撮影し、あとから自分で見てみます。
自分の映像を見て、「楽しいな」と思えたら、恥ずかしさは少なくなっているかもしれません。一方で、「なんでこんな歌い方をしているんだ」といった、ジャッジする言葉が浮かんでくることもあります。そのときも、出てきた言葉をメモしておく。
そして、先ほどと同じように、その言葉に対して別の言葉を用意します。自分の歌っている姿を、ポジティブに見られるような言葉に変えていく。
一人でイメージする。自分で歌ってみる。動画を撮って見返す。オンラインで人前に出てみる。そうやって段階をつくりながら、自分の反応を確かめていきます。
周りの目より、自分がどう表現したいか
恥ずかしさや恐怖心が薄れていくと、「見てほしい」「聞いてほしい」という感覚に変わることがあります。自分から進んでステージに上がるような気持ちになっていく。
ここで大切にしたいのは、周りの人がどう思うかだけを基準にしないことです。人の目を気にして、自分がやりたいことを止め続けるのではなく、自分が楽しくやれること、自分がやりたいこと、自分が思いきり表現したいことを、一つずつ試していく。
歌うことに限らず、恥ずかしさが出てくる場面では、自分の中にどんな映像や言葉があるのかを見つめてみることができます。怖い顔が見えるのか、否定する声が聞こえるのか。その反応を記録し、別の見方へ変えてみる。
いきなり大きな一歩を踏み出すのではなく、自分の部屋から始める。次に動画で確認する。そして、オンラインで誰かと歌ってみる。小さな実験を重ねながら、恥ずかしさとの距離を変えていく。
楽しんだ者勝ち、という言葉があります。人にどう見られるかを気にする時間を少しだけ止めて、自分が何をしたいのかに意識を戻す。恥ずかしい気持ちがあるからこそ、その気持ちを観察し、言葉やイメージを自分で選び直してみる。
その先に、自分の表現を自分で楽しめる感覚が待っているのかもしれません。












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