人見知りだからこそ、後悔について考えておきたい
植木理恵さんの著書『幸運を引き寄せる行動心理学入門』を題材に、行動について考えるシリーズを始めました。
今回、僕が特に気になったのは、「プライベートを充実させたほうが、年齢を重ねたあとに後悔しにくい」という話です。
人生の終わりを迎えようとしている人たちに、後悔していることを尋ねたところ、紹介されていたのは、自分のやりたいことをやらなかったこと、夢をかなえられなかったこと、趣味に時間を割かなかったことでした。
この話を聞いたとき、僕は「何をしたか」だけではなく、「何をしなかったか」が、あとから大きく残ることもあるのだと思いました。
人見知りの人にとって、行動しないことは、いつも怠けているから起きるわけではありません。人と関わることに慎重になったり、失敗しないように考えすぎたり、やってみたい気持ちがあっても、その場に踏み出せなかったりする。そういう時間の重なりによって、結果的に「やらなかったこと」が増えていく場合があります。
もちろん、人見知りであること自体が悪いわけではありません。すぐに人の輪へ入れないことも、初対面の人と自然に話せないことも、その人の性格の一部です。HSPのように刺激を強く受け取りやすい自分を理解している人にとっては、無理に積極的になることが、必ずしも自分らしい行動とは限りません。
ただ、「苦手だからやらない」と「自分にとって大切ではないからやらない」は、同じではないと思うのです。
後悔は、行動しなかった時間にも残る
やりたいことを後回しにする理由
やりたいことがあっても、人見知りの人は、その前にいくつものことを考えます。
迷惑をかけないだろうか。変に思われないだろうか。うまくできなかったらどうしよう。今さら始めても遅いのではないか。そうやって考えているうちに、行動するタイミングを逃してしまうことがあります。
その場では、行動しないことで安心できます。緊張する必要もありませんし、失敗する可能性からも離れられます。だからこそ、行動しなかったことは、その瞬間には「正しい選択」に見えることがあります。
けれど、時間が経ってから振り返ると、「本当はやってみたかった」と気づくことがある。人見知りにとって怖いのは、行動して失敗することだけではなく、行動しなかったまま、やりたい気持ちだけを残してしまうことなのかもしれません。
今回の話で紹介されていた後悔の中には、自分のやりたいことをやらなかったことや、夢をかなえられなかったことがありました。夢というと、何か大きな目標を想像しやすいですが、僕はもっと身近な「本当はやってみたかったこと」も含まれるのだと思います。
その気持ちに気づいていながら、性格を理由にすべてを諦めてしまうと、あとから自分に問い直すことになるかもしれません。
趣味に時間を割かなかったという後悔
もうひとつ紹介されていたのが、趣味に時間を割かなかったという後悔です。
仕事が趣味になっていて、それを楽しくやっているのであれば、それはそれでよいのだと思います。ただ、仕事以外に熱中できるものや、自然とワクワクするものがあるのなら、それにも時間を使っていい。
人見知りの人は、人に会うことや外へ出ることに気を使うぶん、自分の楽しみまで後回しにしてしまうことがあります。「もっと余裕ができたら」「もう少し自信がついたら」と考えているうちに、やりたいことを始める時期を逃してしまう。
でも、趣味は誰かに認められるためのものではありません。うまくできるかどうかを証明するものでもありません。自分が時間を使いたいと思うものに、時間を使う。そのこと自体が、自分の人生を自分のものとして扱うことにつながるのだと思います。
年齢を重ねてから見える「今しかできないこと」
動画では、大学時代の後悔についても紹介されていました。大学生は、もっとちゃんと勉強しておけばよかったと振り返る。一方で、大学を卒業してから40年ほど経った人たちは、もっと遊んでおけばよかったと感じているという話です。
この違いは、どちらが正しいということではありません。その時期には、その時期にしかできないことがあるということだと思います。
若いときには、あとからいくらでもできるように思えることがあります。今は忙しいから、今は恥ずかしいから、今は自分には無理だから、と先送りする。しかし、あとになって振り返ったとき、その時期の体力や精神状態、その年代だからこそできたことに気づく場合があります。
人見知りのままだと、行動するタイミングを待ち続けてしまうことがあります。もっと自信がついてから。もっと話すのが上手になってから。もっと人に慣れてから。
けれど、いつか人見知りではなくなる日を待っていると、今日できることまで失ってしまうかもしれません。人見知りのままでもできる小さな行動はあります。大きな輪に飛び込まなくてもいいし、誰とでも仲良くならなくてもいい。ただ、自分のやりたいことを「やらない理由」だけにしないことが大切なのだと思います。
自分を変えるより、後悔を増やさない選択をする
人見知りの人に向かって、「もっと積極的になろう」「人脈を広げよう」と言うのは簡単です。でも、それだけでは、自分を責めることにつながってしまうことがあります。
必要なのは、性格を無理に変えることではなく、自分が後悔しそうなことを見分けることではないでしょうか。
やりたいことがあるのに、人見知りだからという理由だけで諦めようとしていないか。趣味に使いたい時間を、いつかのために取っておこうとしていないか。今しかできないかもしれないことを、考えすぎて先送りしていないか。
そうやって自分に問いかけるだけでも、行動しないことの意味が少し見えてきます。
行動には、うまくいかない可能性があります。人見知りであれば、その可能性を人一倍大きく感じることもあるでしょう。それでも、行動した結果だけでなく、行動しなかった結果も、自分の人生には残ります。
だから僕は、「人見知りを克服しなければ」と考えるより先に、「人見知りのままでも、後悔を増やさないために何ができるか」を考えたいと思います。
人生を豊かに、幸せに生きるために、どんな生き方をしたいのか。答えはすぐに出ないかもしれません。でも、今の自分がやりたいことに気づき、そこへ使う時間を少しでも持つ。その積み重ねが、あとから振り返ったときの「やっておけばよかった」を減らしてくれるのだと思います。













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