子育てをしていると、一日の多くが家族のために過ぎていきます。子どもの予定を考え、家のことを済ませ、目の前にあることへ対応しているうちに、自分が何を好きだったのか、何をしたいと思っていたのかが分からなくなることもあるのかもしれません。
今回の動画では、ライフコーチのひろえさんと、子育て中の主婦の方が何歳からでも自分の人生を生き、輝いていくための2つのステップについて話しました。
その2つは、特別な準備や大きな決断から始まるものではありません。まず自分を知ること。そして、知った自分をそのまま受け入れることです。
子育ての中で、自分の好きなものが分からなくなる
ひろえさん自身も4人の子どもを育てています。子育てに追われていた時期には、自分の好きな色すら分からなくなったことがあったと話していました。
目の前のことで精一杯になっていると、自分の気持ちを確認する時間は後回しになります。何を食べたいか、何を飲みたいか、どんなものが好きなのか。そうした小さな感覚でさえ、自分に問いかけることなく一日が終わっていくことがあります。
もちろん、子どもや家族を大切にすることと、自分を大切にすることは、どちらか一方を選ぶものではありません。ただ、自分の感覚を置き去りにしたまま過ごしていると、いつの間にか自分の人生を生きている感覚が薄くなってしまうことがあります。
ひろえさんが話していたのは、いきなり人生を変えようとすることではありません。まずは身近なところから、自分の感覚に目を向けていくことでした。
ステップ1は、自分を知ること
自分を知るというと、過去を振り返ったり、人生の目的を考えたりすることを思い浮かべるかもしれません。しかし、今回の話に出てきたのは、もっと日常に近い問いです。
いつも飲んでいる飲み物は、本当に好きで選んでいるのか。それとも、流行っているから選んでいるのか。目の前の色を見て、自分はどう感じるのか。友人と食事をするとき、本当は何を食べたいと思っているのか。
ひろえさんは、そうした一つひとつを丁寧に見ていくことから始めると話していました。
レストランで注文するときも、値段を見て決める、周りと同じものを選ぶという反応の前に、自分は何を食べたいのかを感じてみる。パスタが食べたいならパスタ、ピザが食べたいならピザ。その感覚を、できれば言葉にして口に出していくことも大切だといいます。
これは、いつでも自分の希望を優先しなければならないという話ではありません。大きな選択をする前に、日常の小さな場面で自分の感覚を確かめる練習です。
考えすぎると、周りの情報が入り込んできます。値段はどうか、相手はどう思うか、みんなと違っても大丈夫か。そうした考えが生まれる前に、まず自分はどう感じているのかを見る。ひろえさんは、頭で考えるよりも、感じることを大切にしてほしいと話していました。
ステップ2は、知った自分を受け入れること
自分の好きなものや苦手なものに気づいたとしても、すぐに変えようとしなくていい。これが2つ目のステップです。
自分はこれが好きだったのだな。これは苦手だったのだな。好きだと思っていたけれど、実は流行に乗っていただけだったのだな。そんなふうに気づいたことを、良い悪いで判断せず、そのまま認識していく。
自分を知るとき、私たちはつい評価を加えてしまいます。こんなものが好きなのは変ではないか、もっと別のものを好きになったほうがいいのではないか。嫌いだと感じる自分は、わがままなのではないか。
けれども、好き嫌いに正解があるわけではありません。そこにある感覚を、まずはそのまま知る。ひろえさんが話していた2つのステップは、行動を急いで変える前に、自分の内側で起きていることを見つめるものです。
自分を知り、知ったことを受け入れる。その積み重ねによって、ひろえさんは、自分の次の行動を頭で考え続けるのではなく、感覚で分かるようになっていくと話していました。悩み続けるよりも、軽やかに進めるようになる。周りから見ても、のびのび生きているように感じられるようになる。動画では、そのような変化が語られていました。
お母さんや奥さんという役割の奥にいる自分
子育てをしていると、お母さんや奥さんという役割が日常の中心になります。それらは大切な役割ですが、役割だけが自分のすべてではありません。
動画の中でひろえさんは、そうした役割をまとっている状態を、鎧のようなものとして表現していました。自分の感覚を丁寧に見ていくことで、その鎧が少しずつなくなり、一人の人としての自分に戻っていく。そして、自然と輝き出すのだと。
ここでいう輝きは、誰かに認められるための目立つ変化ではないように思います。何を選ぶかを自分で感じ、自分の言葉で伝え、自分の感覚を否定しない。その小さな積み重ねの中に、自分らしさが戻ってくるということです。
年齢や、これまでどれだけ自分を後回しにしてきたかは、最初の一歩を決める条件ではありません。今日の飲み物をどう選ぶか。食事の場で何を食べたいと感じるか。そんな小さなところから、自分との関係をつくり直していくことができます。
自分の答えを、自分で見つける
動画では、悩みを誰かに相談することと、コーチングの違いについても話しました。相談では、相手の意見を聞いて終わることがあります。一方で、コーチングでは、話している本人が解決策を持っているという考えをもとに、その人の中から答えを導き出していくと、ひろえさんは説明していました。
人からもらった答えではなく、自分の中から出てきた答えであること。その違いによって、自分で答えを出したという感覚や、自分の人生を自分でつくっているという感覚につながっていくのだと思います。
ひろえさん自身も、ある程度落ち着くまでに約1年間、自分と向き合ったと話していました。その経験があるからこそ、寄り添って導いてくれる存在がいることで、同じように自分と向き合う時間を軽やかに進められるのだと感じたそうです。
何歳からでも、自分の感覚に戻っていく
子育て中は、自分のためだけに時間を使うことが難しい場面もあります。だからこそ、自分を大きく変えようとする前に、日常の中にある小さな感覚を見つけることが入口になるのかもしれません。
私は何が好きなのか。何が苦手なのか。今、何を選びたいのか。
答えがすぐに見つからなくても、問いかけること自体が、自分に意識を向ける時間になります。そして、見つけた答えを良い悪いで裁かず、そのまま受け入れていく。
自分を知ることと、自分を受け入れること。動画で語られた2つのステップは、とても静かで、日常の中で始められるものでした。
家族のために生きてきた時間があるからこそ、これからは自分の感覚にも耳を澄ませてみる。何歳からでも、自分の人生に戻っていく道は、案外、身近な一杯の飲み物や、一度の注文の仕方から始まるのかもしれません。











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